スマートフォンや、デジタルカメラで写真を撮るのが主流である昨今ですが、以前は、使い終えたフィルムをカメラ屋に出してネガと写真を受け取っていました。では、現在においては昔撮影したネガを現像することは可能なのでしょうか。2章に渡り解説していこうと思います。
目次
1.古いネガを現像する方法
1-1.現像とは何か
1-2.古いネガを現像するには
2.古いネガが現像できない時ってどんなとき
2-1.ネガに光が当たってしまっていた場合
2-2.ほこりや汚れ
2-3.フィルムの先端がずれる
2-4.古いネガをデータ化する
まとめ
1.古いネガを現像する方法
実際の現像方法について説明していきます。まず現像とは何かを理解した上で、現像を依頼する際の、また自分で現像をする際の注意点を確認していきながら、古いネガを現像してみてください。
1-1.現像とは何か
一度、現像とはどういう作業を指すのか説明しようと思います。写真プリントする作業を現像する作業を現像と称している人や、媒体をよく見かけますが正確には間違いです。撮影が終わり、使用済みのフィルムを薬品を使い、像を浮き上がらせるという作業があります。この作業のことを現像または現像すると呼ぶのが正確です。世間一般ではこの現像とそのあとのプリント工程をまとめて、現像すると言っていることが多いですが、あくまでも現像は像を浮き上がらせるところまでを示します。また、ネガは一度光に当ててしまうと使えなくなってしまう点は気を付けてください。また当然のことながら古いネガを出してもそもそも、写真が撮られていなければ、もちろん像は浮かび上がってきません。今日、皆さんもご存じのように空前のレトロブームが起きています。カセットやレコード、そしてフィルムカメラも、なつかしさや、ノスタルジック、もの悲しさを表す「エモい」という表現で若者を中心にされています。このエモさの代表とも言えるフィルムカメラやフィルムカメラで撮った写真ですが、今は写真を撮影してカメラ
屋に出して、撮った写真を現像して、その写真をプリントしてもらうというところまでをプロに依頼する人が多いです。しかし今後は、最近のDIYのブームなどで、一から自分で作ってみるのが良いという価値観も生まれてきていますので、撮ったネガから自分で現像をしたいという人も増えていくのではないかと、推測します。
1-2.古いネガを現像するには
現像する方法は大きく2点。とてもシンプルで、自分でネガを現像するか、カメラ屋に依頼するかです。ここではネガを現像するところまでの工程について言及していきます。まず、カメラ屋さんを利用した際の現像について、説明します。お店にネガを出して現像してもらうということは、持ち込んだ使用済みのネガを持ち込んで、現像されたネガを持って帰るということです。これは大手のビックカメラ、カメラのキタムラでは、やっており古いネガでも現像することは可能です。ホームページからも確認することができます。価格はビックカメラがフジフイルム35mmの24枚撮りと36枚撮りが税込660円、コダック35mmフィルムの24枚撮りが税込み524枚、36枚撮りが税込み576枚です。カメラのキタムラは写ルンですの現像で税込み794円かかります。では、自分で作業するのにはどうしたら良いでしょうか。簡単にできる「LAB BOX」を使用した現像方法を紹介します。まずフィルムを本体に通して、フィルムクリップで固定します。LAB BOXを閉じて、ハンドルを回してフィルムをリールに巻いていきます。現像液をLAB BOXに入れてハンドルを使い、攪拌します。その後現像液を捨てて、LAB BOX本体にフィルムが入ったままの状態で、水を入れてすすぎます。そして、フィルムの水分を拭き取り、乾燥させれば完成です。フィルムを素手で扱わずピンセットを使って作業すれば、しっかり現像ができます。古いネガでも、光に当てておらず、表面にほこりや汚れがなく保存状態が良ければ、自分自身での作業でも、プロにお任せしてでもしっかり現像できます。
2.古いネガが現像できない時ってどんなとき
古いネガが上手く現像できなかったという時も当然出てきます。しかし、残念ながら現像できなかったという段階まできてしまうと、もう遅いのです。事前に現像ができなかった時のパターンを知り、古いネガでも上手に現像できるようにしてみましょう。
2-1.ネガに光が当たってしまっていた場合
現像される前のネガは、潜像として撮影されたものを記録しています。このネガに光を当てて、光を当てると像を浮かびあがらせることのできる感光材を反応させることで、現像させるのです。光が強く当たったところは黒く、全く当たっていないところは真っ白に写ります。光の当たり方でグラデーションを出しているのです。このような仕組みで現像をしているため、保管している期間で、誤って光のあたるところにネガを置いていたりすると、意図する現像ができなくなってしまうのです。
2-2.ほこりや汚れ
言うまでもなく、これはまずい状態だと言えます。ネガの表面にほこりや、汚れまたは自分で作業する方は作業中にネガに指紋を付けてしまったりすると、もう思ったような現像はできません。当然のことながら保管状態の良し悪しは、そのまま現像時の出来に表れてきます。ただし、汚れやほこりの場合は、現像する前に水洗いしてみてはいかがでしょうか。現像する工程で水洗いを最後にします。ただし、何もせずに綺麗な状態で保存するのが良いのは間違いないので、最終手段として考えてみてください。
2-3.フィルムの先端がずれる
自分で古いネガを現像する際、リスクはつきものです。現像工程で、リールの芯にネガの先端を爪に引っ掛けて巻き付けるという作業があります。上手く巻き付けるためにネガをピンと突っ張らせたり、少したわませてみたりと調節しなければなりません。この工程でミスをしてしまうと、フィルムの先端が外れてしまい、空回りするということになってしまいます。このようなミスを防ぐために、練習用にフィルムを1~2本購入して、巻き付ける練習をしてから、本番の現像に入るとよいと思います。
2-4.古いネガをデータ化する
古いネガを現像段階までで辞めるのが、もう手間。現像してプリントをするところまでやってもらいたいという気持ちになったら、完全にプロに任せるのが良い得策です。基本的に古いネガでも保存状態が良ければ、現像は可能です。ただ、少なからず、初めは現像までで良いと考えていた人の中でも、面倒臭くなってしまう方もいると思います。この心境になったら、プリントまでではなく、保管も簡単なデータ化までをする、それもカメラ屋さんにお任せするというのが良いです。ネガをデータ化する作業は、ビックカメラ、カメラのキタムラをはじめ、基本的には大手のカメラ屋ではどこでも取り扱っているものになります。ネガの現像を自分でやる、あるいは、現像までをプロに任せて、それ以降の加工は自分でやりたいと感じた方が、心折れることはよくあることです。絶対に失敗しないプロに任せるというもの最終的な手段として持っておくのが良いと思います。
まとめ
古いネガを現像することは、ネガの保管状態によっては可能です。自分で作業をされる方は、簡単にできる、LAB BOXを使って作業することをおすすめします。基本的にはフィルムを本体に入れて、現像液を本体に投入し取り出す。最後に水分を拭き取り、乾燥させれば完了です。カメラ屋さんに依頼するのであれば、ネームバリューのある、カメラのキタムラかビックカメラに依頼することを推します。どの手段で現像させるにしても、光にネガを当てないことと、表面に汚れ、ほこり、または指紋を付けずに保管するということは共通します。前述のように正しく保管されていれば、基本的には現像はできますので、保管状況には十分留意するようにしましょう。
逆に言ってしまえば保管状況さえ良ければ、もう古いネガを現像するという目的は達成できます。