DVDにダビングするメリットはどこにある?劣化対策と汎用性がポイント

DVDにダビングするメリットはどこにある?劣化対策と汎用性がポイント

過去に撮り溜めた各種ビデオテープは、磁気テープそのものが劣化することにより次第に再生出来なくなってしまいます。

では、なぜダビングを行う際にDVDを選択すると良いのでしょうか。明確なメリットがあるからこそDVDをダビング先として選択する理由が分かります。


もくじ

1.DVDへのダビングはアナログからデジタルへの変換を行う
∟1-1.デジタル化後のダビングは劣化が少ない
∟1-2.DVDは汎用性が高い映像機器として認識されている
∟1-3.DVDの解像度はアナログビデオテープからのダビングに適している
2.DVDへのダビング作業は最初の1回が肝心
∟2-1.DVDメディアは経年劣化することを忘れずに
∟2-2.ブルーレイよりもDVDへのダビングが望ましい理由
まとめ


1.DVDへのダビングはアナログからデジタルへの変換を行う

DVDへのダビングは、アナログ記録されたビデオテープ内の映像をデジタルデータとして変換を行う点に最大のメリットがあります。

なぜなら、アナログデータは記録メディアの劣化と共に品質までも劣化してしまうからです。


1-1.デジタル化後のダビングは劣化が少ない

ビデオテープへ記録された映像は、基本的にアナログ映像として保存されているものであって、ビデオテープが劣化すれば画質が自然と落ちてしまいます。

アナログ映像を繰り返しダビングし続けると徐々に劣化してしまう最大の理由は、記録メディアの劣化に伴い記録された映像品質の劣化が起きてしまうからです。

一方、ビデオテープからDVDへダビングする際には、アナログ映像がデジタル映像へと変換されることによりダビングを行った時点の画質が保持されるメリットがあります。

このため、最初にDVDへダビングを行った時期が早いほど、劣化が少ない映像をデジタルデータとして保持出来ることになるわけです。1 度デジタルデータ化した映像は、デジタルデータが消失しない限りは同一の品質を維持したままコピーが可能となります。

定期的にDVDからさらに別のDVDやUSBなど他のメディアへのコピーを繰り返している限りは、思い出の映像がダビングしても劣化せずに保存可能という最大のメリットを得られるわけです。


1-2.DVDは汎用性が高い映像機器として認識されている

ビデオテープをダビングする段階では、ビデオテープ映像を抽出してデジタルデータ化を行い、選んだデジタル記録メディアへ書き込みすることで映像のデジタル化が完了します。

一度アナログ映像をデジタル化すれば、以後の映像画質劣化が起きないわけですが、デジタル記録メディアは高画質化と大容量化が進んでいます。

ビデオテープのダビング先としてDVDが適していることは、DVDが広く一般家庭へ普及しているという点で汎用性があると認められているからです。 ビデオテープをデジタル化してダビングする際には、DVDよりも5倍以上大容量なブルーレイディスクが選択に入りますが、実際のダビング先としてDVDが理想的です。

なぜなら、DVDとブルーレイ再生環境には普及率に大きな違いがあるからです。ブルーレイドライブがあれば、基本的にDVDドライブとしても使用可能ですが、DVDドライブのみではブルーレイディスク再生は出来ません。

地上デジタル放送が開始された時期にはブルーレイレコーダーが重宝されましたが、外付けハードディスクの大容量化と視聴環境の変化に伴いブルーレイレコーダーの必要性が薄れています。

このため、多くの家庭で広くブルーレイが普及する状況にはなく、DVDほどの普及率とはなりませんでした。デジタル化を済ませた状態で長期保存しつつ再生環境が広く普及しているDVDは、ブルーレイよりも汎用性が高いわけです。


1-3.DVDの解像度はアナログビデオテープからのダビングに適している

DVDの標準的な解像度は、720×480という数値であってアナログテレビや8mmビデオの解像度よりも大きな数字となっています。

テレビ放送は垂直走査線と水平走査線による解像度がありますが、実際のアナログテレビをビデオキャプチャーした経験がある人なら分かるように解像度は低いです。

  • ・アナログテレビキャプチャー 352×240
  • ・VHS水平解像度 240
  • ・S-VHS水平解像度 400以上

実際の解像度とアナログテレビ放送の水平走査線の数には機構上の違いがあるために比較出来ませんが、目安としてDVDならば水平解像度480あるために少なくとも既存のアナログビデオテープキャプチャーに対応可能です。ビデオテープはそもそも高解像度ではないために、DVDの解像度であっても十分に間に合います。


デジタル化
 

2.DVDへのダビング作業は最初の1回が肝心

ビデオテープからDVDへのダビング作業を行う際には、最初に行う1回目のダビングが重要です。 なぜなら、一度DVDへのダビングを行った際には、デジタル化が完了しているために以後は何度ダビングを繰り返してもデータは劣化しないからです。

書き込みを行ったDVDメディアの劣化に気をつけて以後のダビングを繰り返せば、少なくともビデオテープのまま保有し続けるよりも画質を保てます。


2-1.DVDメディアは経年劣化することを忘れずに

DVDへダビングをすれば画質そのものは劣化しないものの、DVDメディア自体は劣化することを忘れてはなりません。ビデオテープの劣化は気温や湿度の上昇に伴い徐々に進み、5年程度経過すると磁気テープにカビが生えてしまうことが珍しくありません。

また、ビデオテープの弱点であってテープ伸びについては、DVDメディアならディスクタイプとなるために発生しないというメリットがあります。

しかし、DVDメディアであっても未来永劫使えるわけではなく、5年から20年といった時間の経過と共にデータ記録層にも腐食が起きやすいです。デジタルデータそのものが劣化するわけではなく、DVDメディアに入り込んだ微小な水分が記録層を酸化させて劣化を起こし、結果的にデータの読み込みが出来なくなってしまいます。

DVDメディアは記録層へレーザー光を照射した反射を利用して読み込みをするので、エラー訂正機構を超えた大量の読み込み不良が発生するとデジタルデータとしての整合性が成り立たなくなります。DVDへのダビングを行った後は、記録メディアとしてのDVDが寿命を迎える前に次の新品DVDメディアへの再ダビングを行わなければなりません。


2-2.ブルーレイよりもDVDへのダビングが望ましい理由

ブルーレイならばDVDの5倍以上記録出来るデータ量があるので、一見するとDVDよりも優れていると思われがちです。

しかし、ビデオテープからダビングした映像データに関しては、DVDへのダビングが望ましいと考えられます。なぜなら、DVDはブルーレイよりも長期保存に適していて、傷に対する耐性が高いと考えられるからです。

一部の海外製DVDメディアは傷に弱いものの、日本製DVDメディアを使えば長期保存が可能となります。

  • ・DVDメディアの保護層厚 0.6mm
  • ・ブルーレイディスクの保護層厚 0.1mm

かつてブルーレイディスクとHD-DVDの規格争いが発生した際には、記録層の保護層がブルーレイディスクは薄すぎるという一面が問題視されました。

長期保存という面からは、保護層に一定の厚みが求められることは確かであって、ビデオテープからダビングした大切な映像データをなるべく保護層が厚いDVDメディアへ保存することが望ましいと分かります。


まとめ

ビデオテープからDVDへダビングすることは、各家庭の民生機器への普及率が高いDVDが望ましいと考えられます。

いつでもすぐに再生可能な機器が揃っていて、ビデオテープからDVDへダビングする時点で映像の劣化を冷められるというメリットは計り知れません。実際に長期間保存することを目的としたダビングならば、ブルーレイの6倍保護層が厚いDVDが適しているわけです。

つまり、DVDへダビングした後は、DVDメディアの劣化さえ注意するだけで大切な思い出となる映像を長期間保存し続けることが出来ます。


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