2012年の流行語にも選ばれた「終活」という言葉。
すっかり世間一般的に浸透するようになり、一度は耳にしたことがあるという方が大半ではないでしょうか。
実際に終活を行う方は増えているようですが、一方で具体的にどのようなことをするものなのか、いまいちイメージが沸かないという方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、終活とは具体的にどのようなことを行うものなのか、終活を行うメリット、終活を進めるうえでの注意点についてご説明します。
「終活を考えているけれど、何から始めればよいかわからない」
「何か決まりはあるの?自己流で行っても大丈夫?」
終活についてこのようにお悩みの方は、ぜひ参考にご覧ください。
目次
1.終活とは?
1-1.終活とは具体的に何をすること?
1-2.終活はいつから始めるもの?
2.終活を行うメリット
2-1.終活のメリット1.残される家族の負担が減る
2-2.終活のメリット2.相続トラブルを防ぐ
2-3.終活のメリット3.残りの人生を前向きに生きることができる
3.終活を行う際の注意点
3-1.終活の注意点1.体力が必要なものは早めに取り組む
3-2.終活の注意点2.家族にも相談する
3-3.終活の注意点3.必要なら専門家のアドバイスを受ける
3-4.終活の注意点4.決して無理をしない
まとめ
1.終活とは?
終活とは、自身の人生の最期をどう迎えるかを考え、そのための準備をすることです。
決してネガティブなことではなく、残りの人生を自分らしく過ごすための前向きな行動として、一般的にも広がりつつあります。
では具体的にはどのような行動するものなのか、またいつ頃から行うものなのでしょうか?
1-1.終活とは具体的に何をすること?
- 身辺の生前整理を行う
生前整理は、「人生の棚卸し」「人生の断捨離」などと言われるともあります。
単なる不用品処分ではなく、これまでの思い出を振り返りながら、この先の人生に本当に必要なものは何かを考えて身の回りの整理を行います。
相続に関係する物をわかりやすくまとめてリストを作っておくことも大切です。
また物だけでなく、個人情報の整理をしておくことも重要です。
クレジットカードや銀行口座、パソコン内に残されたデータや、各所で登録してあるアカウントなど、使用していないものは登録の解除や削除をしておきましょう。
- 最期の迎え方について考える
自分らしい最期を迎えるために、その時の対応についての希望を決めておくことも終活の一環です。
介護施設に入居するかどうか、延命治療を行うかどうか、成年後見人制度をするかどうかなど、いざというときに自身では判断が難しくなっていることもあります。早い機会に考えておきましょう。
- 葬儀やお墓の準備をする
近年では葬儀を行う方法も多様化しており、近しい親族だけの家族葬を希望する方も少なくありません。
自分の葬儀をどれくらいの規模で行い、誰に連絡するのかなどを決めておきましょう。
終活の広がりによって、自分の葬儀を事前に予約できる制度なども増えています。
- 遺言書、エンディングノートを書く
これまで大切に積み上げられてきた財産の分配方法について希望がある場合は、遺言書の作成が必要です。
特に、法定相続人ではない方に相続してもらいたい場合や寄付をしたい場合は、法的に認められる正しい形式で作成することが重要になります。
エンディングノートには決まった形式はありませんが、終末期医療や葬儀などについての希望をまとめておくことで、判断を求められるご家族へ意志を伝えることができます。
ただしエンディングノートに記載した内容には法的効力はありませんので、遺言書とは内容をかき分ける必要があります。
1-2.終活はいつから始めるもの?
終活というと、高齢の方が行うものだというイメージを抱かれるかもしれません。
しかし終活を始める年齢は特に決まりはなく、いつからでも始めることができます。
年齢を重ねる以外にも、ご家族を亡くされた際やご自身が病を患った際など、人によって終活を意識するようなきっかけが訪れるでしょう。その時がその方が終活を始めるタイミングといえるのではないでしょうか。
2.終活を行うメリット
2-1.終活のメリット1.残される家族の負担が減る
例えば延命治療を行うかどうかの選択は、ご家族にとって大変つらいものです。特に本人の意思が確認できなくなってしまってからでは、どちらを選択しても自責の念にかられるかもしれません。
また亡くなられた後でも、悲しみの中で葬儀やお墓の準備を行わなくてはなりません。多くの物を残したまま旅立たれると、片付けをするのにも時間と労力を要します。
終活を行うことで、これらご遺族にかかる負担を減らすことができます。実際に、ご家族のためにも終活を行うという方はとても多いようです。
2-2.終活のメリット2.相続トラブルを防ぐ
相続に関するトラブルは、残念ながらそれまで良好な関係だった親族間でも起こってしまうことが珍しくないようです。
財産の分配方法についてご本人の意思を示す遺言書が残されていれば、そのようなトラブルを未然に防ぐことができます。
2-3.終活のメリット3.残りの人生を前向きに生きることができる
終活は、もちろんご家族のためだけに行うものではありません。
終活を通してご自身の人生や思い出を振り返ったり見つめなおしたりすることで、残された時間をどのように過ごすかを考え、前向きに生きていくことにも繋がります。
終活を通して、新たなやりがいや目標が見つかるかもこともあるでしょう。
2-4.終活のメリット4.後悔の少ない最期を迎えることができる
誰に対しても言えることですが、最期のときがいつやってくるかは事前にはわかりません。
年齢関係なく終活を進めておくことで、もしもの時に後悔しないで済むというメリットがあります。
3.終活を行う際の注意点
3-1.終活の注意点1.体力が必要なものは早めに取り組む
上記でもご説明したように終活の内容は様々ですが、体力を必要とするものから始めるようにしましょう。
具体的には、現地を見てまわる必要があるお墓の購入や、荷物が多い場合の生前整理などです。
医療技術が進んでいる現代でも、寿命と健康寿命では約10年前後の開きがあると言われています。年を重ねるごとに負担が大きくなるものは、早い機会に始めるとよいでしょう。
3-2.終活の注意点2.家族にも相談する
ご家族の負担を減らすための終活でも、自分一人だけで行うと無駄になってしまうことがあります。
例えばエンディングノートの存在を誰にも気づかれなければ、せっかく事前に記しておいた内容も伝わりません。
葬儀の事前予約をした際も、必ず近しい親族に伝えておきましょう。
また、終末期医療などデリケートな問題は、ご家族の気持ちにも寄り添うことが大切です。一方的に決めて報告するよりも、お互いの意見を確認しあいながら進めていきましょう。
3-3.終活の注意点3.必要なら専門家のアドバイスを受ける
自分や家族だけでは終活が思うように進まないという場合は、専門家の力を借りることも検討してみましょう。
終活の専門家として、終活アドバイザーや終活ライフケアプランナーなどがいます。
終活の悩みを共有することで、解決策を考えたり、必要に応じて弁護士などの更なる専門家への相談の窓口となってくれたりします。
また、地域ごとに終活セミナーなどが開催されることもありますので一対一で相談するほどでもないという場合は参加して概要をつかむのもよいでしょう。
3-4.終活の注意点4.決して無理をしない
残りの人生を前向きに生きるために行う終活ですが、自身の死と向き合うことに変わりはありません。
不安な気持ちになったり、暗い気持ちになったりすることもあるでしょう。
終活は必ず行わなくてはならないものではありません。
しばらく休憩したり、負担が大きいようなら中断したりする勇気も大切です。
まとめ
終活は、家族の負担を減らすだけでなく、残りの人生を自分らしくに生きていくために行う前向きなものです。
具体的には、終末期医療や介護についての意志を示したり、生前整理や葬儀の事前予約を行ったり、財産の分配に希望があれば遺言書を残したりします。
体力を必要とするものから始める、必要であれば終活アドバイザーなど専門家のアドバイスを取り入れるなど、状況に合わせて取り組むことがおすすめです。
精神的に負担になることもありますので、あまり無理をせず家族と相談しながら少しずつ進めるようにしましょう。これまでの人生をゆっくりと振り返ることで、新たなやりがいや目標が見つかることもあるかもしれません。