故人様が残された物を片付ける遺品整理。
人生において何度も経験することではないため、慣れない作業に誰しも戸惑ってしまうものです。
「何から始めればよいか分からない」
「いつまでに行うものなの?」
「何か注意することはある?」
このような疑問から、なかなか踏み切れないという方も少なくないでしょう。
この記事では、遺品整理を行う時期や遺品整理のコツ・注意点についてご紹介します。
遺品整理を予定されている方の参考になれば幸いです。
目次
1.遺品整理を行う時期
1-1.遺品整理を行う時その1葬儀後すぐ
1-2.遺品整理を行う時期その2.四十九日法要の後
1-3.遺品整理を行う時期その3.ご遺族様の気持ちが落ち着いてから
2.遺品整理を進めるコツ
2-1.遺品整理のコツ1.まずは遺言書の確認を
2-2.遺品整理のコツ2.相続に関わる物を探す
2-3.遺品整理のコツ3.無理にすべて片づけない
3.遺品整理を行う前に知っておきたい注意点
3-1.遺品整理の注意点その1.相続放棄をする場合
3-2.遺品整理の注意点2.相続人全員の同意を得ること
3-3.遺品整理の注意点3.無理をしない
まとめ
1.遺品整理を行う時期
遺品整理を行う時期について、明確な決まりはありません。
ご遺族様の事情によって様々ですので、こちらではご参考までに一般的な時期をご紹介します。
1-1.遺品整理を行う時その1葬儀後すぐ
早急に遺品整理を行う時期としてとして、葬儀が終わってすぐのタイミングが挙げられます。
主に以下のような事情をお持ちの際に行われることが考えられます。
・故人様が一人暮らしをされていた借家の退去手続きをしたい
・遠方に住んでいる親族が多く、今後全員が集まるのが難しい
葬儀直後は親族も集まっていますので、遺品整理を急ぎたい事情がある際は効率的に行うことができます。
1-2.遺品整理を行う時期その2.四十九日法要の後
遺品整理を行う最も一般的な時期として、四十九日の法要が済んだタイミングが挙げられます。
故人様の魂が旅立つとされる四十九日は大きな節目であり、ご遺族様の気持ちにもある程度は一区切りついていることが考えられます。
相続人となる近しい親族であれば四十九日法要に参加していることが一般的ですので、改めて遺品整理のために集まる必要もありません。
1-3.遺品整理を行う時期その3.ご遺族様の気持ちが落ち着いてから
時期にこだわることなく、ご遺族様の気持ちが落ち着いてからゆっくりと遺品整理を行うケースもあります。
ただし相続税の納付には法律で定められた期限がありますので、故人様の死亡を知ってから10ヶ月以内に収める必要があります。
遺品整理によって相続が必要な資産が見つかることもありますので、ご注意ください。
2.遺品整理を進めるコツ
実際に遺品整理を進める際のコツについてご紹介します。
2-1.遺品整理のコツ1.まずは遺言書の確認を
遺品整理を始める前にまず確認したいのが、遺言書やエンディングノートなど、故人様の意志が示された物の有無です。
基本的には故人様の意志を最優先にするべきですし、もし相続手続きが完了してから見つかったら面倒なことにもなりかねません。
遺言書は、自筆の物を自宅などで保管しているほか、公正証書遺言として公証人役場に保管されているケースがあります。
故人様との相続関係を示す戸籍謄本と本人確認書類を提出すれば、公正証書遺言が保管されているかどうかを調べてもらうことができます。
2-2.遺品整理のコツ2.相続に関わる物を探す
遺品が多く何から手を付けてよいかわからない場合、遺言書が残されていなかった場合などは特に、相続に関係する物を探すことを優先しましょう。
思わぬ場所から発見されることもありますので、大まかに分類しながら遺品全体を確認してみてください。
相続に関係する物の具体例としては、以下のような物が挙げられます。
- 通帳(印鑑)
- 年金手帳
- 保険証券
- 自動車検査証
- 株券
- 不動産関係資料
- 貴金属や骨董品
2-3.遺品整理のコツ3.無理にすべて片づけない
大まかな分類ができたら、一度に無理して片づける必要はありません。
焦ってすべてを片付けようとすると、勢いで処分してしまった物を「やっぱり残しておけばよかった…」などと後悔することにもなりかねません。
急ぐ事情がない場合は、優先するべき物を片付けたら残りはゆっくりと向き合っていきましょう。
以下を参考に、3つに分類することをおすすめします。
・残す物
相続に関係する物はもちろん、各種書類など後で見直す必要がある物は残しておきましょう。
・処分する物
誰も引き取り手がいない家電製品や家具など、ご遺族様全員の同意が得られるのであれば処分しましょう。
処分と言っても、状態によってはリサイクル業者などに買い取ってもらえることもあります。
・保留する物
処分するかどうか少しでも迷う物は、一旦保留しておくことをおすすめします。
時間がたってから再度見直すことで、処分するか保管するどうかの判断が自然とできるようになることもありますので、焦らず少しずつ進めていきましょう。
3.遺品整理を行う前に知っておきたい注意点
遺品整理を行う際に、事前に知っておきたい注意点についてご紹介します。
3-1.遺品整理の注意点その1.相続放棄をする場合
特に注意したいのが、相続放棄をする可能性がある場合です。
相続放棄を予定している場合、基本的には遺品を整理することは認められていません。
遺品整理を行うことで「相続することに同意した」とみなされ、その後の相続放棄を認められないおそれがあるのでご注意ください。
ただし、経済的な価値のない思い出の品(写真、手紙、衣類など)を整理したり形見分けをしたりすることは認められています。
経済的な価値があるかどうかの判断が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談するか、相続放棄の手続きが完了するまで手を付けない方が賢明です。
相続放棄の手続きが可能なのは、故人様の死亡を知ってから原則として3ヶ月以内と法律で決まっていますので、併せて覚えておきましょう。
3-2.遺品整理の注意点2.相続人全員の同意を得ること
相続放棄の可能性がなく遺品整理を行う場合は、相続人となる方全員が集まることが理想的です。しかし、一度に集まるのが難しいというケースもあるでしょう。
そのようなときは、事前に全員と連絡をとって承諾を得ることが大切です。
一部の相続人だけで勝手に遺品整理を進めると、親族間でもトラブルにつながる可能性がありますのでご注意ください。
3-3.遺品整理の注意点3.無理をしない
故人様を亡くされた悲しみと改めて向き合うことになる遺品整理は、ご遺族様にとってつらいものです。
特別な事情がない限りは無理をせず、ご自身を労わることも忘れないでください。
特に遺品の量が多い場合や、実際に片付けを行う方の人数が極端に少ない場合などは、時間も労力も消耗してしまいます。
優先順位を決めてゆっくりと進める、頼れる部分は専門業者に依頼するなど、負担を軽くすることも検討してみてください。
気持ちに整理がつかないまま遺品整理を行うと、冷静な判断ができない可能性もあります。
後悔しないためにも、決して無理をなさらないようにしてください。
まとめ
遺品整理はご遺族様にとってつらいものですが、ご紹介した時期やコツ・注意点を参考に、無理のない範囲で行うことをおすすめします。
・遺品整理を行う時期
決まりはありませんが、四十九日法要の後が最も一般的です。
相続税の納付期限が10ヶ月なので、相続に関連する物は早めに確認しましょう。
・遺産整理を行うコツ
まずは遺言書の有無を確認し、相続に関係する物から優先的に遺品整理を行いましょう。
それ以外の物は大まかに分類し、ゆっくり進めるとよいでしょう。
・遺品整理の注意点
相続放棄の可能性がある場合は、手を付けない方が賢明です。
相続人全員の同意を得て進めることが大切です。
決して無理をせず、ご自身も労わってください。
遺品整理にお悩みの方の、お役に立てれば幸いです。