過去に撮り溜めたビデオテープは、日時の経過と共に劣化が進むことが知られています。どうにかして思い出をデジタル化して残そうとして失敗する人が多いことは、記録メディアは劣化をするという点を意識せずに管理していることが原因です。
では、なぜビデオテープのダビングは最初からプロに依頼すると良いのでしょうか。
もくじ
1.ビデオテープの映像は吸い出しチャンスが少ない
1-1.ビデオテープの規格に合った正常動作するビデオデッキの確保が難しい
1-2.カビたビデオテープからの抽出は難易度が高い
1-3.傷んだテープ部分の処理には独自技術が必要
1-4.プロにダビング依頼すればオプションとして目次作成依頼が可能
2.DVDへのダビング時にオーダーメイドしやすい
2-1.DVDへの書き込み方法には規格がある
2-2.DVDメディアは劣化する事実を知ろう
2-3.長期保存に適したお任せプランを用意している業者に任せると安心
まとめ
1.ビデオテープの映像は吸い出しチャンスが少ない
ビデオテープに記録された映像は、ビデオテープが磁気テープという特性と記録された映像自体がアナログ記録されている点により、時間とともにビデオテープ自体の劣化が進み吸い出しにくくなっています。
かつてビデオデッキ内に入れたカセットテープを内部で詰まらせてしまった経験がある人がいるはずです。
1-1.ビデオテープの規格に合った正常動作するビデオデッキの確保が難しい
家庭内に保管されているビデオテープは、必ずしも1種類とは限らずに実は数多くの種類が存在している場合もあるでしょう。
放置したまま忘れていたビデオテープが劣化して再生不可となる前に、DVDへのデジタル保存を行うことが望ましいです。
しかし、次のようにビデオテープには複数の規格が存在していて、正常に動作するビデオデッキを各家庭で用意出来ているとは限りません。
- ・VHS
- ・S-VHS
- ・βマックス
- ・8mmビデオ
- ・Hi-8
- ・Digital8
- ・MiniDV
- ・VHS-C
ビデオテープを使った映像記録は、再生環境が現在も現役で正常動作可能なデッキがあるという前提がなければDVDへのダビングもおぼつきません。
特に再生時にビデオヘッドが劣化していたり着磁していたりすると、既に劣化が進んでいるビデオテープ自体を傷めてしまう問題があります。
1-2.カビたビデオテープからの抽出は難易度が高い
ビデオテープはフィルムに磁性体を接着する目的で使われているバインダーを栄養源としてカビが発生しやすいので、5年以上経過しているビデオテープにはカビが生えている可能性があると考えなければなりません。
ビデオデッキへそのままカビたビデオテープをセットしてしまうと、ヘッド部分にカビが付着し一気に汚れて映像の読み取りが困難なだけでなくビデオデッキの破損の原因ともなりかねません。
ビデオテープはビデオカセット内に巻いた状態で格納されていますが、風通しが悪く保管状態をチェックしていなければいつの間にかカビが発生しがちです。プロならばカビ取り専用機を保有していて、先にカビ取り処置を完了させてから映像を抽出します。
1-3.傷んだテープ部分の処理には独自技術が必要
かつてレンタルビデオ店で働いた経験がある人なら知っているように、ビデオテープの厚みは長時間録画タイプほど薄く短時間タイプほど熱くなっています。全く同じVHSカセットテープであっても10分から180分まで存在しており、130分以上の録画が可能なビデオテープほど磁気テープが薄くなっていて切れやすいです。
実際に切れてしまったビデオテープは、補修加工としてテープ同士を繋ぎ合わせる必要があり、再生中に切れてしまった時には内部でビデオテープが絡まってしまうことも想定しなければなりません。このため、経年劣化が進んで切れやすくなっているビデオテープほど補修処理に独自技術が必要となるわけです。
1-4.プロにダビング依頼すればオプションとして目次作成依頼が可能
正常に動作可能なビデオデッキを保有している状態ならば、アナログコンポジット入力によるダビング処理を行うことができます。
しかし、DVDへのデジタルダビングを行うならば、目次を付けてチャプター再生可能にしておくと、今後観たい時にスムーズな再生をしやすいはずです。
プロにダビング依頼を行う際には、オプション料金を支払い編集時間を確保するだけで目次作成依頼ができます。プロにダビング依頼を行うならば、ビデオテープにはなかったチャプター再生機能を付けておくことが望ましいです。
2.DVDへのダビング時にオーダーメイドしやすい
ビデオテープからDVDへのダビングをプロに依頼する際には、どのような環境で再生したいのかといった具体的な仕様をオーダーメイド作成することが可能です。
自力でビデオテープをダビングしようとして失敗してしまうのは、書き込み型DVDには複数の規格があるために、再生環境に合わせた仕様に合わせなければならないからです。
2-1.DVDへの書き込み方法には規格がある
VHSやS-VHSといったビデオテープの規格は、アナログ画質での画面解像度による違いがあるので必ずしも同じビットレートで処理すれば綺麗にダビングできるとは限りません。
ブルーレイとは異なり書き込み型DVDには規格争いが発生した結果として、DVD-VIDEO規格に合わせなければPC以外のDVDプレーヤーで再生できないという問題点を抱えてしまいます。
- ・DVD-VIDEO
- ・DVD-RまたはDVD-RW
- ・ROM化済みのDVD+R
少なくとも民生機器として販売されているDVDプレイヤーで再生するならば、将来に渡る互換性を考慮してDVD-RかDVD-VIDEO規格に準拠した形式でビデオテープからのダビングを行うことが望ましいです。
2-2.DVDメディアは劣化する事実を知ろう
書込み可能なDVDメディアは、2枚の円盤型ディスクを張り合わせた構造をしているので、接着面の端から水分が入り込むと記録メディアが腐食する可能性があります。
また、DVDメディアはプラスチック樹脂素材を貼り合わせて作られているので、気温が上下することで樹脂素材そのものが熱膨張と収縮を繰り返します。風通しが良く湿度が高すぎない場所へ立てて保管しておくといった方法を採用しない限りは、DVDメディアそのものが先に劣化してせっかくダビングしても読み込み不可となりかねません。
DVDメディアは保管状況と品質により、5年~20年程度で劣化することを理解しておく必要があります。
2-3.長期保存に適したお任せプランを用意している業者に任せると安心
ビデオテープからDVDへのダビングを専門的に行っているプロの業者では、長期保存に適したお任せプランを用意していることが少なくありません。運動会の8mmビデオ映像といった失われたら2度と手に入らない大切な思い出を記録しておくならば、最初から高品質な日本製DVDメディアへエラーレートを押さえた形式でダビングする必要があります。
単にビデオテープからのダビングを行い納品したら終了といった会社に任せると、繰り返しダビングをして世代を経た保存が難しくなるわけです。ビデオテープからDVDへのダビングは、アナログからデジタル保存への大切な移行と考えて、プロに任せることがリスクを避けるために重要です。
まとめ
プロにダビング依頼したDVDはメディア管理次第でデータとして長期保存しやすい。ビデオテープはアナログ記録されていて、時間の経過と共に磁気テープに記録された映像が劣化しやすくなっています。
DVDへダビングする際にプロへ依頼すれば、少なくとも原状以上に映像が劣化することはありません。
プロへダビング依頼する時に1度管理しやすいチャプター編集を同時に注文すれば、以後はDVDメディアが劣化する前にダビングを繰り返すことで大切な記録をデジタル保存可能です。